音環境のお悩み&解決例

マンションディベロッパー様からのご相談内容
過去販売したマンションにて上下階での騒音トラブルが同一建物内で数件発生し、対応に追われたことがある。 原因を明確にできず次に販売したマンションにおいても同様の状況となってしまい、今後の対策を相談したい。

(1)販売時の購入者に対する「音の空間性能」に関する説明の確認
 ・「静かな空間」など主観的な説明がされていないか?
 ・「LL-○○を実現」など性能を担保する説明がされていないか?

(2)設計時の空間性能の推定計算対応履歴や内容の確認
 ・設計時に推定計算をしているか?
 ・建物の構造並びに内装材仕様をもとに安全側での予測ができているか?
 ・推定計算結果が目標性能に届いていたか?

(3)内装材(床材)の実施工仕様の確認
 ・遮音性能に影響する部位について、設計仕様通りに施工されているか?

(1)販売パンフレットの表現の問題
販売パンフレットに記載されていた表現によって、購入者が認識した性能と入居後の実体験との間にギャップが生じ不満に繋がっていました。

(2)推定計算時の問題
推定計算時に用いたパラメーター内に、悪化傾向となる可能性が高い要因が含まれておりませんでした。

(3)施工会社の材料選定の問題
施工会社の材料選定において、レンジが広くなる様な設計要求性能となっていたため、コストダウンを優先しグレードが低めの材料が採用されたことにより、お施主様の意図と異なる空間性能になっておりました。

(1)販売パンフレットの監修
販売パンフレットを監修させていただきました。
音の空間性能は確約できない点、聞こえ方や感じ方に個人差がある点などの特性についての内容を加え、その上、客観的な採用仕様の性能の説明をすることで、納得をもって購入いただける販売資料の制作をお手伝いさせていただきました。

(2)各種アドバイス
お施主様が求める性能に近づけるため、推定計算や設計指示の内容、及び規格書制作をお手伝いさせていただきました。
また、ご予算をもとにした経済的な材料選定条件についてご提案し、実施工時に低いグレードの材料が採用されない工夫をアドバイスさせていただきました。

(3)データのご提供
施工後において推定計算との差異を確認するために実測し、お施主様のノウハウとなるデータをご提供させていただきました。

マンション管理組合様からのご相談内容
築古のマンションのため、住民の多くがリフォームし売却または賃貸運用したいと思っているが、管理規約で床材がカーペット限定となっているなど、現在の一般的なデザインと異なることから、買い手がつきにくい状態となっている。
上下階の遮音性能が低下するため、フローリングへのリフォームは不可となっているが、可能とする方法をアドバイスしてほしい。

(1)現在の管理規約を確認
 ・床衝撃音遮断性能に関する規約が入っているか?
 ・管理規約で定めている内装材の仕様が現代に即しているか?
 ・公的な評価制度と関連する内容の場合、新旧基準の更新がされているか?

 
(2)内装材の実施工仕様の確認
 ・天井、壁、床下地材がどのようになっているか?
 ・当時採用している建材の同等品が現代に存在するか?

  
(3)構造体の設計図と内装材の仕様から現行の空間性能を推定
 ・管理規約の規定と推定値に隔たりがないか?

(1)現在では廃止となっている公的評価が採用されていた問題
従来の規約では、廃止となっている公的評価が採用されており、現在の公的評価を取得している材料が円滑に採用できない状況でした。

(2)材料の調達が困難という問題
旧規格で評価されている材料の調達が困難な状況でした。

(3)規約改定の必要性
従来の規約で設定されている評価が、現在の評価と相互比較できないため、新たに規約を改訂する必要がありました。

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